魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「地上部隊は、左側の敵軍を集中的に殲滅せよ! 同時に、傷病者の回収を急げ!」
張りのある若い声の指揮が鼓膜を叩き――。
それに呼応したように……なんと俺たちが背にしていた門が開くと、続々と正体不明の部隊が左翼を支え始め、魔物たちを撃滅し始める。
その援護で大きく全体が持ち直し、俺は……空から舞い降りてきたひとりの騎士の姿に目を疑った。
「ル、ルシド!? お前……」
「お久しぶりです、スレイバート様」
共和国風の戦装束を靡かせながらこちらに近づいた彼は、にこりと微笑むと、俺の手をがっしりと握った。
「よく来てくれた……! でもどうして……」
なぜ、セルベリアに渡ったはずのこいつがここに――そんな疑問を彼は速やかに解消してくれる。
「実は……万が一のことがあるかと、戦の成り行きを隠れて見ていました。ベルージ王国戦の後半から。そのうちに、魔物たちと連動する帝国軍が迫っているのを目にして、クリム様に話を繋ぎ……誠に勝手ながら砦を潜らせて、戦いに参加させていただいたんです」
「そういうことだったか……。……いや、本当に助かった。どう感謝したらいいのか……」
張りのある若い声の指揮が鼓膜を叩き――。
それに呼応したように……なんと俺たちが背にしていた門が開くと、続々と正体不明の部隊が左翼を支え始め、魔物たちを撃滅し始める。
その援護で大きく全体が持ち直し、俺は……空から舞い降りてきたひとりの騎士の姿に目を疑った。
「ル、ルシド!? お前……」
「お久しぶりです、スレイバート様」
共和国風の戦装束を靡かせながらこちらに近づいた彼は、にこりと微笑むと、俺の手をがっしりと握った。
「よく来てくれた……! でもどうして……」
なぜ、セルベリアに渡ったはずのこいつがここに――そんな疑問を彼は速やかに解消してくれる。
「実は……万が一のことがあるかと、戦の成り行きを隠れて見ていました。ベルージ王国戦の後半から。そのうちに、魔物たちと連動する帝国軍が迫っているのを目にして、クリム様に話を繋ぎ……誠に勝手ながら砦を潜らせて、戦いに参加させていただいたんです」
「そういうことだったか……。……いや、本当に助かった。どう感謝したらいいのか……」