魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
だが、俺の胸には恐れる気持ちよりも、シルウィーを早く助けに行きたい……そんな気持ちばかりが渦巻いていた。
ヴェロニカの用意周到さも、それに乗って自らの生国すら破壊しようとするディオニヒトの悪辣さも……そしてなにより、自分の迂闊さと弱さが嫌になる。
(あいつを、俺はまたひとりにさせちまってんのか……)
俺は……シルウィーの選んでくれた婚約指輪を左手ごと握りしめると、強く念じる。
今……あいつの側に行けないのなら、いくら生きていても意味がない。
それくらいなら身体も、この魂も全部魔力に変えてぶつけてやる――そんなイメージを固め、目の前の勝ち目のない敵へと突っ込む。
「邪魔なんだよ……お前の存在が! そこを……どきやがれぇ――っ!」
「血に選ばれなかった貴様ごときが、ほざくなぁっ!」
俺の空色の氷の魔力と、ディオニヒトの青黒い炎の魔力が互いを食らい合おうととぐろを巻く。
ヴェロニカの用意周到さも、それに乗って自らの生国すら破壊しようとするディオニヒトの悪辣さも……そしてなにより、自分の迂闊さと弱さが嫌になる。
(あいつを、俺はまたひとりにさせちまってんのか……)
俺は……シルウィーの選んでくれた婚約指輪を左手ごと握りしめると、強く念じる。
今……あいつの側に行けないのなら、いくら生きていても意味がない。
それくらいなら身体も、この魂も全部魔力に変えてぶつけてやる――そんなイメージを固め、目の前の勝ち目のない敵へと突っ込む。
「邪魔なんだよ……お前の存在が! そこを……どきやがれぇ――っ!」
「血に選ばれなかった貴様ごときが、ほざくなぁっ!」
俺の空色の氷の魔力と、ディオニヒトの青黒い炎の魔力が互いを食らい合おうととぐろを巻く。