魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「お前らがこっちにこれたってことは、大体カタがついたんだな。よかった……」
「うむ。帝国兵たちも意識を取り戻し、今我々の兵で包囲して事情を聞き出しているところじゃ」
「魔物たちも、さっきから急速に力を失いまして。すべてを討滅し終えるのも時間の問題でしょう」
(とことんこいつを利用し尽くしやがったってわけだな……恐ろしい女だぜ)

 遠隔から呪いの力に寄り多くのものを動かすのはかなりの魔力を消費する。そこでおそらく、ヴェロニカはディオニヒトの身体を呪いの中継地として利用したのではないか……。

 こいつの呪いが浄化したことにより、帝国兵の洗脳や魔物への魔力の供給が途絶え、術が解けたとか、大体そんなところだろう。
 だが、その魔力の繋がりが途絶えたことで、皇太子の敗北はヴェロニカも察知したはず。すぐに出向かなければならない。俺は手早くルシドたちに先程と同じ説明を行い、強引に納得させた。

 シルウィーを案じてくれたふたりに再度の救出を誓うと、光の渦の前に立ち、戦後処理を頼んでおく。

「じゃあ、俺はもう行く。クリム、後はうまくやっといてくれ。現場の後始末もだが、クラウスに早急に連絡を取り、戦勝の周知と皇家への糾弾も進めてもらう。ベルージ王国から和平の申し出があるかもしれないことも忘れずにな。それと……ルシド」
「はい」
「本当によく駆けつけてくれたな。共和国のことは大体うまくいったのか?」
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