魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「領主様―っ、ご武運を‼」
「聖女と共に無事のご帰還をお待ちしておりますっ!」
「ボースウィンの守り手たる公家に精霊の加護があらんことを!」

 厳しい戦いに立ち会ってくれた大勢のボースウィン領の兵士たちが、旗を振り、歓声を上げ、背中を温めてくれる。

「皆、よくやってくれた……! 祝い酒を準備して楽しみに待っててくれ。戻ってきたら、今回の祝宴は盛大にぶちかまそうぜ!」

 その気遣いを嬉しく思うと俺は右手を上げ――奥に向かって延々と続く光の道筋へと足を踏み込んでいった。



 ――そしてその後、速やかに北の大平原では戦の後始末が行われていく。

 その中では、こんなやり取りが繰り広げられていた。

「ところで……お前がリュドベルク公の次男坊じゃな?」
「ん? そうだけど……っでぇっ!」
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