魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「俺には後、どのくらい時間が残されてるか分からないからな」
その微笑みに、濃い悲しみの陰がよぎり、私は息を詰める。そのことを敏感に感じ取った彼は、表情をもとの明るいものに戻すと、私の頬に優しく触れる。
「……悪い。別に投げやりになってるわけでもなきゃ、命を諦めるつもりもねー。でも、できる限り生きているこの一分一秒を惜しんでいたいんだ。だからお前のことも、ちゃんと知って、大切にしたい」
「スレイバート様……」
今まで、私のことをこんな風に真っ直ぐ見てくれる人なんて、誰もいなかった。
婚約者であった皇太子ディオニヒト様とですら、年に一、二度の手紙での近況報告がせいぜいだと言ったら、私の交友関係の狭さが分かるだろう。
それ以前に、父や屋敷の人々との冷たい関係が、無意識に誰かとの深い交流を遠ざけてさせていたのかもしれない。
「できる限りのことをしてやるから。お前はここで……俺の側で幸せを見つけていけよ」
その微笑みに、濃い悲しみの陰がよぎり、私は息を詰める。そのことを敏感に感じ取った彼は、表情をもとの明るいものに戻すと、私の頬に優しく触れる。
「……悪い。別に投げやりになってるわけでもなきゃ、命を諦めるつもりもねー。でも、できる限り生きているこの一分一秒を惜しんでいたいんだ。だからお前のことも、ちゃんと知って、大切にしたい」
「スレイバート様……」
今まで、私のことをこんな風に真っ直ぐ見てくれる人なんて、誰もいなかった。
婚約者であった皇太子ディオニヒト様とですら、年に一、二度の手紙での近況報告がせいぜいだと言ったら、私の交友関係の狭さが分かるだろう。
それ以前に、父や屋敷の人々との冷たい関係が、無意識に誰かとの深い交流を遠ざけてさせていたのかもしれない。
「できる限りのことをしてやるから。お前はここで……俺の側で幸せを見つけていけよ」