魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「ふふふっ、軽く記憶を見せてもらったけど……成長のおかげか、それとも何度も巨大な魔力を吸い込んだせいか、体内からの放出を遮っていた膜も破れ、彼女も魔法が使えるようになったみたいね。もう少し時があれば、この子は真っ向から私を脅かす存在として、ここに立てていたかもしれないのに……」
「気安く触んじゃねぇ……く、そぉっ!」
そうして、何度目かの呼びかけにも応じずヴェロニカは体勢を変えるとシルウィーの上に跨り、その左胸を右手て掴んだ。すなわち、心臓の位置を。
「おい、やめろ……!」
すると――ヴェロニカの身体の周りに揺らいでいた闇がびくんと脈動し、波打つようにどくどくと、シルウィーの身体の中に注ぎ込まれてゆく。
そのおぞましい光景に、俺の胸をいっそうの焦燥が貫いた。
「やめろって言ってんだろが! なにしてやがる!」
「ふふふ……あれほど憎んでいたマルグリットの子どもだというのに、今は少しだけ、子を思う母の気持ちが分かる気がするわね。なにせこの子ったら、わざわざその身体を痛めながら、各地を回り、本来集めるのにとっても時間がかかる、私の呪いをまとめて運んできてくれたのだから……」
「気安く触んじゃねぇ……く、そぉっ!」
そうして、何度目かの呼びかけにも応じずヴェロニカは体勢を変えるとシルウィーの上に跨り、その左胸を右手て掴んだ。すなわち、心臓の位置を。
「おい、やめろ……!」
すると――ヴェロニカの身体の周りに揺らいでいた闇がびくんと脈動し、波打つようにどくどくと、シルウィーの身体の中に注ぎ込まれてゆく。
そのおぞましい光景に、俺の胸をいっそうの焦燥が貫いた。
「やめろって言ってんだろが! なにしてやがる!」
「ふふふ……あれほど憎んでいたマルグリットの子どもだというのに、今は少しだけ、子を思う母の気持ちが分かる気がするわね。なにせこの子ったら、わざわざその身体を痛めながら、各地を回り、本来集めるのにとっても時間がかかる、私の呪いをまとめて運んできてくれたのだから……」