魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 訪れた思わぬ変化に、私は目を開けた。
 ささやかな光が、組んでいた両手の隙間から漏れ、闇を微かに退けている――!?

 婚約指輪の石の淵から滲み出るようにして、白い光が発生し、それは少しずつ範囲を拡大していった。
 そして今まで沈黙していた精霊たちの宿るペンダントが、糸のような光を通してそこへ繋がり、私を中心とした小さな安全地帯を形作る。

『……シル――――! ――――うやく、繋がりましたね! 煩わせないでください!』
「精霊様!」

 今までずっと呼び掛けてくれていたのか、珍しく怒ったような気配を示す光の精霊の声が頼もしくて、涙ぐみそうになりながら私は尋ねた。

「今、外ではどういうことになっているんですか!? あの、私が今いるここはいったい……抜け出すことはできないんでしょうか!」

 早口で尋ねる私に、冷静さを取り戻した精霊が事情を教えてくれる。
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