魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『こちらでは、お前の番の男が闇の精霊を拘束しています。この指輪の石が持つ繋がりと、あの者の聖なる力がここへの扉を開き、かろうじて……私たちの声を、そちらに伝えてくれているのです』
「スレイバート様は無事なんですか!?」
『大丈夫です。あの者と縁ある……我らの同族が守護している間はね。それよりも――問題はお前の方でしょう。ここは、我々の住む世界とはまた別の……おそらく闇の精霊を生み出せし虚無の世界。このままここにいては、お前もこの世界に同化し、自我もない虚ろな影として永久にここで苦しみ、漂い続けることとなるでしょう……。そして、そこから脱する方法は、私にも分かりません』
「そ、そんな……」
ぞっとする話だ。しかし、今私の周りの闇を退けていくれている力も有限ではない。考える力が残っている内に、どうにかしないと――。
スレイバート様が、今外で待ってくれている――諦めようという気持ちなど、欠片も残さず吹っ飛んだ私は、なにか打開策を見つけるため、まず深呼吸する。
そして落ち着いて周りを見渡してみた。今なら、彼の力のおかげで、はっきりと周囲の様子が分かる。
「オオォォ……クル、シイ……ニクイ……」「ホロボセ……スベテヲ……!」
「スレイバート様は無事なんですか!?」
『大丈夫です。あの者と縁ある……我らの同族が守護している間はね。それよりも――問題はお前の方でしょう。ここは、我々の住む世界とはまた別の……おそらく闇の精霊を生み出せし虚無の世界。このままここにいては、お前もこの世界に同化し、自我もない虚ろな影として永久にここで苦しみ、漂い続けることとなるでしょう……。そして、そこから脱する方法は、私にも分かりません』
「そ、そんな……」
ぞっとする話だ。しかし、今私の周りの闇を退けていくれている力も有限ではない。考える力が残っている内に、どうにかしないと――。
スレイバート様が、今外で待ってくれている――諦めようという気持ちなど、欠片も残さず吹っ飛んだ私は、なにか打開策を見つけるため、まず深呼吸する。
そして落ち着いて周りを見渡してみた。今なら、彼の力のおかげで、はっきりと周囲の様子が分かる。
「オオォォ……クル、シイ……ニクイ……」「ホロボセ……スベテヲ……!」