魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
15.帝国の夜明け -answer-
目覚めた私は、スレイバート様の腕の中にいた。
自分からも彼の背中に手を回し、その温もりを両手で精一杯、確かめる。
もう離れなくてすむのだということを実感すると、胸の中から大きな安堵と共に、途方もなく強い力が湧き上がってくる気がした。
「ごめんなさい……私のせいで、どれほど辛い思いを……」
彼の姿は見るからにぼろぼろだ。命を擦り減らすような激しい戦いを経て、どうにか生き残ってここまで来てくれたのだと思うと、強い痛みを胸を突き刺す。
だが、彼は多少無理やりでも、はっきりとした笑顔で笑ってくれた。
「なんてこたねーよ。お前さえ戻ってきたなら十分だ。それよりも……」
再会を祝ってもう一度だけ強く抱きしめ合うと、スレイバート様は周囲を鋭く見渡した。
私たちを取り巻く空気の感触は、まだ変わらない……。
自分からも彼の背中に手を回し、その温もりを両手で精一杯、確かめる。
もう離れなくてすむのだということを実感すると、胸の中から大きな安堵と共に、途方もなく強い力が湧き上がってくる気がした。
「ごめんなさい……私のせいで、どれほど辛い思いを……」
彼の姿は見るからにぼろぼろだ。命を擦り減らすような激しい戦いを経て、どうにか生き残ってここまで来てくれたのだと思うと、強い痛みを胸を突き刺す。
だが、彼は多少無理やりでも、はっきりとした笑顔で笑ってくれた。
「なんてこたねーよ。お前さえ戻ってきたなら十分だ。それよりも……」
再会を祝ってもう一度だけ強く抱きしめ合うと、スレイバート様は周囲を鋭く見渡した。
私たちを取り巻く空気の感触は、まだ変わらない……。