魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
結界の頂点付近にはそれを抜け出せず、突進を試みては何度もはじき返される漆黒の球体の姿が……。
私は、眼下の彼にしっかりと頷きかけると、それに向かって一直線に飛び立った。
聖氷の魔力で囲まれているせいか、肌寒い空気の中上昇を続けると、王城の尖塔をも高く越え、やがて私は黒雲を周りに従えた闇の精霊と相対する。
『また……私の邪魔をするのか。マルグリットの娘よ』
鼓膜に空気の振動を直接ぶつけるような、歪んだ声が、耳へと響く。
時間はあまりないけれど……私もまた、彼女には聞きたいことがあった。
「どうして、あなたは……。聞かせてください、なにがあなたをそんなに駆り立てるんです!? 他の精霊たちと同じように、この世界で、ひとつでも多くの命が希望を持てるように、一緒に進んで行くことはできないんですか!」
『黙れ……!』
闇の精霊は激しく打ち震え、私に向けて黒い光の波動をぶつけてくる。苦しみに塗れた暗い思念の集合体を、私がテレサとの練習で扱い慣れた聖属性の魔力で相殺する中、彼女は血の吐くような想いを叫んだ。
私は、眼下の彼にしっかりと頷きかけると、それに向かって一直線に飛び立った。
聖氷の魔力で囲まれているせいか、肌寒い空気の中上昇を続けると、王城の尖塔をも高く越え、やがて私は黒雲を周りに従えた闇の精霊と相対する。
『また……私の邪魔をするのか。マルグリットの娘よ』
鼓膜に空気の振動を直接ぶつけるような、歪んだ声が、耳へと響く。
時間はあまりないけれど……私もまた、彼女には聞きたいことがあった。
「どうして、あなたは……。聞かせてください、なにがあなたをそんなに駆り立てるんです!? 他の精霊たちと同じように、この世界で、ひとつでも多くの命が希望を持てるように、一緒に進んで行くことはできないんですか!」
『黙れ……!』
闇の精霊は激しく打ち震え、私に向けて黒い光の波動をぶつけてくる。苦しみに塗れた暗い思念の集合体を、私がテレサとの練習で扱い慣れた聖属性の魔力で相殺する中、彼女は血の吐くような想いを叫んだ。