魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 スレイバート様が、勢いよく落ちてきた私の身体をどうにか受け止めてくれる。

 しかし、流石に彼も体力の限界だったのか。落下の勢いを殺してくれたまではいいが、そのまま支えきれずに、ふたりして背中から地面へと倒れ込む。

「うぐっ……! くそっ――悪い、格好つかねえな」
「いえいえ……」

 浅い呼吸を繰り返し、剥き出しの地面に並びながら、苦笑いする私たち。

「でも……本当に、よく頑張った」

 スレイバート様の手が隣から伸び、私の右手にしっかりと重ねられる。

「……お互い様です」

 私もぎゅっとそれを握り返した。
 しばらく……なにもかもが空っぽになった気分で空を見つめていると、スレイバート様の魔力の供給が断たれたせいか、王都の外からガシャンガシャンと氷が崩れる音が聞こえ、上空を覆う青銀色の結界が薄れてゆく。
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