魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
もともと謁見の内容は、ベルージ王国の侵攻と精霊教会の暴走――帝国に迫った二大危機を未然に退けたことに対する、私たちの功を労うために集められたもののはずだった。のだが……。
『ディオニヒト! そなたには、ベルージとのよき関係を結ぶための犠牲となってもらう! 急ぎ友好の使者として彼の国に赴くがいい! お前の身柄は自由にしてよいと、女王にも伝えてある!』
『ち、父上……正気ですか!? そ、そんな……あの獣のような男女に……。ど、どうか考えをお改めください! 実の息子が野蛮人に喰われてしまってもいいのですか!』
『ええい、うるさい! お前はもう、息子などとは思わぬ! よもやこれほどまでの恥を掻かされるとは思うておらなんだ……このままではわしは愚かな子を育てた愚王として周辺国から誹りを受けること必至! それだけは耐えられぬ! いいな、二度と我が前に顔を見せるな……金輪際、この国の土を踏むことは許さんっ‼』
その場で皇帝はなんと――先日、皇太子の称号を剥奪したディオニヒト様に対し、厳しすぎる処分を下された。彼を最近急速に国交の改善が行われているベルージ女王への使者――とは名ばかりの貢物として送りつけることにしたのである。
「顔と魔法の力は別にしても――あの国じゃ、実質飼い殺しの後宮要員として売られたようなもんだよなぁ……」
「…………」
スレイバート様の憐みの籠った台詞には、私はコメントのしようもない。
『ディオニヒト! そなたには、ベルージとのよき関係を結ぶための犠牲となってもらう! 急ぎ友好の使者として彼の国に赴くがいい! お前の身柄は自由にしてよいと、女王にも伝えてある!』
『ち、父上……正気ですか!? そ、そんな……あの獣のような男女に……。ど、どうか考えをお改めください! 実の息子が野蛮人に喰われてしまってもいいのですか!』
『ええい、うるさい! お前はもう、息子などとは思わぬ! よもやこれほどまでの恥を掻かされるとは思うておらなんだ……このままではわしは愚かな子を育てた愚王として周辺国から誹りを受けること必至! それだけは耐えられぬ! いいな、二度と我が前に顔を見せるな……金輪際、この国の土を踏むことは許さんっ‼』
その場で皇帝はなんと――先日、皇太子の称号を剥奪したディオニヒト様に対し、厳しすぎる処分を下された。彼を最近急速に国交の改善が行われているベルージ女王への使者――とは名ばかりの貢物として送りつけることにしたのである。
「顔と魔法の力は別にしても――あの国じゃ、実質飼い殺しの後宮要員として売られたようなもんだよなぁ……」
「…………」
スレイバート様の憐みの籠った台詞には、私はコメントのしようもない。