魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
すべての元凶は、瘴気なのだ。確か、この紫の霧には魔物の力を活性化させる効果もあり、それがきっと通常以上に兵士たちが苦戦する要因にもなっているはず。
これを少しでも弱められれば……絶対に勝機が見えてくる。
そしてこれだけ膨大な量の瘴気を吸い込もうとするなら、あの場所ではダメだ。入り組んだところでは流れ込む瘴気の量が減って、急速な改善は望めない。
広範囲の瘴気を効率よく速やかに除去したいなら、もっと見晴らしのいい場所に行くべきと、周囲を見回し、ここいらで一番背の高い建物を探していた私の目に――空に向けて伸びる尖った屋根が映った。
(あった……!)
街の中心に高々とそびえる緊急警告用の鐘楼。あそこならぴったりだと、すぐに私は進路を変更しそちらに向かう。
(うっ、思ったより高い……)
すでに鐘楼に走り寄った時点で息が上がっていたが、もうひと踏ん張り。引きつりかけた足をひっぱたいて気合を入れる。石造りの建物は、地上からかなりの高さまで積み上げられ、一番上に行くには長い階段を駆け上がらなければならない。
これを少しでも弱められれば……絶対に勝機が見えてくる。
そしてこれだけ膨大な量の瘴気を吸い込もうとするなら、あの場所ではダメだ。入り組んだところでは流れ込む瘴気の量が減って、急速な改善は望めない。
広範囲の瘴気を効率よく速やかに除去したいなら、もっと見晴らしのいい場所に行くべきと、周囲を見回し、ここいらで一番背の高い建物を探していた私の目に――空に向けて伸びる尖った屋根が映った。
(あった……!)
街の中心に高々とそびえる緊急警告用の鐘楼。あそこならぴったりだと、すぐに私は進路を変更しそちらに向かう。
(うっ、思ったより高い……)
すでに鐘楼に走り寄った時点で息が上がっていたが、もうひと踏ん張り。引きつりかけた足をひっぱたいて気合を入れる。石造りの建物は、地上からかなりの高さまで積み上げられ、一番上に行くには長い階段を駆け上がらなければならない。