魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
いつの間にか落下感は減衰して、今……私がふわふわとゆっくり空から落ちているのは……誰かに身体を、抱えられているからで――。
「ルシド!」
ようやく、混乱か立ち直った私を横抱きにし、ゆっくりと大地に舞い降りたルシドが、初めて強く憤る顔を向けてくる。
「羽射鴉があれだけ騒いでいれば、さすがに気付きますよ。それにやっぱり、あなたなら何かしでかすだろうなと思って。危ないことはしないって約束、しましたよね?」
「す……すみませんでした。って、あれ!」
謝罪にはぁと溜め息を吐いたルシドが私を降ろす間にも、鴉は攻撃の準備を整えている。
空中で取っていた待機姿勢から、ばっと翼を広げると、突進しながら矢のように鋭い羽根を射ち出してきた。
でも、私が指差そうとしたそれは……ルシドが繰り出した緑の突風に遮られ、どこかに吹き飛んでゆく。そして彼はくすりと笑った。
「……でも、ありがとうございます。あなたのおかげで、僕は大切な人たちを救うことができた。また、恩を返さなくちゃいけない人が増えちゃったな」
「ルシド!」
ようやく、混乱か立ち直った私を横抱きにし、ゆっくりと大地に舞い降りたルシドが、初めて強く憤る顔を向けてくる。
「羽射鴉があれだけ騒いでいれば、さすがに気付きますよ。それにやっぱり、あなたなら何かしでかすだろうなと思って。危ないことはしないって約束、しましたよね?」
「す……すみませんでした。って、あれ!」
謝罪にはぁと溜め息を吐いたルシドが私を降ろす間にも、鴉は攻撃の準備を整えている。
空中で取っていた待機姿勢から、ばっと翼を広げると、突進しながら矢のように鋭い羽根を射ち出してきた。
でも、私が指差そうとしたそれは……ルシドが繰り出した緑の突風に遮られ、どこかに吹き飛んでゆく。そして彼はくすりと笑った。
「……でも、ありがとうございます。あなたのおかげで、僕は大切な人たちを救うことができた。また、恩を返さなくちゃいけない人が増えちゃったな」