魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「シルウィーお姉様~~~っ!」
「きゃぁっ!」

 ドスンと、勢いよく腰のあたりに身体をぶつけてきたのはもちろんテレサだ。彼女は半泣きの様子で、私の胸に顔を埋めた。

「どうしておひとりであんな危険なことをしたんですっ! お姉様にもしものことがあったら、私……」
「ええと、思い付いたら居ても立ってもいられなくてね……それに、多少の傷ならテレサが直してくれるかと」
「失くした命は取り戻せません! もう二度と、絶対に無茶はしないでください!」

 わんわんと大泣きし始めたテレサをなんとか立ち上がらせるとルシドと目が合い、不謹慎だけど、ほっとした私たちはなんだか苦笑してしまう。

 気付けば周りの悲鳴も止んでいて。
 瘴気が薄れたせいで弱体化した魔物達も続々と討伐されつつある様子。

(よかったんだよね……これで)
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