魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
こんな心の籠らない謝罪で髪の毛が地面につくのは嫌なものだ。しかし、そうまでしても、父は私の頭にラム酒入りのグラスをぶん投げてきた。強いアルコールがぶちまけられ、黒髪を伝って体中をべとつかせる。気分が悪くなるけど、ここで癇癪を起こしたところで、よりひどい折檻を受けるだけ。
私は何事もなかったかのように身を起こすと、感情の籠らない瞳で父親を見つめた。
「ふん、不満そうな眼つきだな。だがな、お前が母の魔術の才を受け継いでおったなら……。わしをぬか喜びさせなければこんなことにはならなかった! くそっ、結局マルグリットもお前だけを産んで逝ってしまいおって……とんだ、計算違いだ」
(どうして、こんな人が父親なんだろう)
実の娘の前でこんな言葉を吐くような人が父親だなんて。しかもよりによって……たったひとりの家族だなんて考えたくもない。
この父の姿を見ていると、もしかしたら騙されて結婚した母が父の思い通りにならないよう、まだお腹の中にいた私に呪いでもかけたんじゃないか、なんて思わざるを得ない。
私だって……好きでこんなところに生まれた訳じゃない。どうして、あなたの道具みたいに扱われなきゃいけないの。
わずかにそんな恨みの思いが目元に現れてしまったらしい。
私は何事もなかったかのように身を起こすと、感情の籠らない瞳で父親を見つめた。
「ふん、不満そうな眼つきだな。だがな、お前が母の魔術の才を受け継いでおったなら……。わしをぬか喜びさせなければこんなことにはならなかった! くそっ、結局マルグリットもお前だけを産んで逝ってしまいおって……とんだ、計算違いだ」
(どうして、こんな人が父親なんだろう)
実の娘の前でこんな言葉を吐くような人が父親だなんて。しかもよりによって……たったひとりの家族だなんて考えたくもない。
この父の姿を見ていると、もしかしたら騙されて結婚した母が父の思い通りにならないよう、まだお腹の中にいた私に呪いでもかけたんじゃないか、なんて思わざるを得ない。
私だって……好きでこんなところに生まれた訳じゃない。どうして、あなたの道具みたいに扱われなきゃいけないの。
わずかにそんな恨みの思いが目元に現れてしまったらしい。