魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「お姉様はしーっかりお休みになってくださらないと。あんなに大量の瘴気をひとりで処理して、そのせいでさっきまではろくに動けもしなかったじゃないですか。身体がどうなってるかわからないんですから、くれぐれも安静にして、ぜっっったいについて来ないでください!」
「そうですよ。シルウィー様は我々にとって大切な仲間なんですから」
「……はい、分かりました」
「よろしい。では、行ってまいりますね」

 ぴしゃりと私に忠告すると、テレサはそそくさと部屋を後にしていった。危険を冒したことは、まだまだお許しいただけないようだ。若いといえど公爵令嬢。背中に出ていた有無を言わさぬあのオーラには、逆らえそうにない。

 そんな私たちをくすりと笑うと、ルシドが町長に断りを入れてくれる。

「それじゃ父さん、僕らも下がります。シルウィー様にこれ以上無理をさせると、ボースウィン家の方々から騎士をクビにされますから」
「ふふ、そうだな。公爵家の方々と良い関係を築けているようでなにより。ではシルウィー嬢、後で食事時にもゆっくりと色々な話を聞かせてくだされ」
「はい。では……」
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