魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 この地を取り巻く立て続けの惨事が、自然に起こったことでないとするのなら……その陰には必ず実行者が潜んでいるはず。しかし、なぜそんなことを?

 先代のアルフリード様や、スレイバート様に対しての恨みか、それとも帝国の利権争いなどが絡んでいるのか。
 なんにしても、すべてにおいて早急に犯人を見つけることが優先される。その考えは、ルシドも一致してようで、彼は励ますように明るい顔で言ってくれた。

「安心してください。この事態を解決するために僕らボースウィン領の騎士達も奔走していますから。いずれ原因をはっきりさせれば、きっと暮らし向きも良くなりますよ。父も顔が広いので色々な情報を教えてくれますしね」
「町長さん、素敵なお父様だったわね」

 悩んでばかりいても始まらない。私も彼の気遣いに合わせるように、仲良くなることができた彼に個人的な質問をしてみる。

「そういえば、失礼だったら答えてくれなくていいけれど……もしかしてルシドはこちらの生まれじゃないの?」

 彼の異国風の顔立ちと肌の色はよく目立つから、どうしても気になっていた。でも嫌な顔をされたら今後この話題は避けよう……そんな覚悟でいると、案外彼は軽い調子で答えてくれる。
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