魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「ああ。実は僕は帝国と北に領土を接するセルベリア共和国からの移民でして、小さな頃にこちらに。ああ、気になるようであれば、スレイバート様に伝えて――」
「違う違う……全然そういうのじゃなくて! その、よく似合ってるなって!」
差別意識はないということを伝えようとしたら正面から誉めることになり、私は恥ずかしさに顔を俯けた。
彼はそれを好意的に受け取ってくれたのか、にっこりと微笑むと「もう少しです」と部屋を指差しながら遠い顔をした。
「僕も、人と違うこの姿が嫌いではないんです。事情があって国を離れることにはなりましたけど……」
それから、ルシドは生い立ちを簡単にまとめて私に聞かせてくれた。
もう十年以上前、ルシドはセルベリア共和国という国の、とある派閥の人間達にその身柄を追われていた。そこから逃げ切るため、養父の町長さんに手を引かれて国境を越え、帝国側に入り込んだ彼らだったが、相手側は執拗にふたりを拘束しようと狙い、ついに追い詰められたその時。
そこを危うくも、前公爵アルフリード様率いるボースウィン領騎士団に助けられた、ということだった。
それからもアルフリード様は、ふたりの話を聞くと密かにボースウィン領内に匿い、別の戸籍を与え領民と同じ生活を約束してくれた。
「違う違う……全然そういうのじゃなくて! その、よく似合ってるなって!」
差別意識はないということを伝えようとしたら正面から誉めることになり、私は恥ずかしさに顔を俯けた。
彼はそれを好意的に受け取ってくれたのか、にっこりと微笑むと「もう少しです」と部屋を指差しながら遠い顔をした。
「僕も、人と違うこの姿が嫌いではないんです。事情があって国を離れることにはなりましたけど……」
それから、ルシドは生い立ちを簡単にまとめて私に聞かせてくれた。
もう十年以上前、ルシドはセルベリア共和国という国の、とある派閥の人間達にその身柄を追われていた。そこから逃げ切るため、養父の町長さんに手を引かれて国境を越え、帝国側に入り込んだ彼らだったが、相手側は執拗にふたりを拘束しようと狙い、ついに追い詰められたその時。
そこを危うくも、前公爵アルフリード様率いるボースウィン領騎士団に助けられた、ということだった。
それからもアルフリード様は、ふたりの話を聞くと密かにボースウィン領内に匿い、別の戸籍を与え領民と同じ生活を約束してくれた。