魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「そ、そうなの?」
「慎重な取り扱いが必要です。と、とりあえず、この補充して頂いた分は、一度父の商会で適正価格で買い取ってもらいましょう。その上で、このことはスレイバート様とよく相談されたほうがよいかと……」
「そう。ならお任せするわ」

 いきなりの金の卵の出現に頭が追い付かなくなってきた私だが、どうせ私自身はスレイバート様の所有物扱いだ、処遇は彼にお任せしよう――なんてことを考え、取り合えず悩むことを放棄する。

 そしてせっかくなので、散らばった魔石をルシドに集めてもらい、魔力を充填していった。昨日吸い取ったこの魔力も、また前みたいにいずれ消えてしまうかもしれないし。

 まあでもよかったと思う。魔石というのは貴重な資源だし、瘴気を吸い取ることでそれを再利用できるようになるなら、きっとこの領地にとってマイナスにはならないはずだ。

「いい土産話ができましたね。テレサ様がお帰りになられ次第、すぐに城へ戻りましょう。僕も積み込みを急ぎます」
「私も軽いものなら――」
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