魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「言っとくが……この呪いは血脈の者に伝染する。俺は親父からこれを引き継いだんだ。ボースウィン家に係累は少ない。もし俺たちに子供ができたとして、いずれは……」
「大丈夫です」

 根拠はない……。でももしそうなったとしても、絶対に私がなんとかしてみせる。
 この人が背負っていたものを、一緒にこれからも背負い、そしていつか終わりへと導いてみせる。それだけがはっきり言える、今の私の望みだ。

 絶対に目を逸らさずに、最後の時までこの人を心に刻み付ける。
 それくらいしないと、弱い私じゃ大事なものを守っていけない。

「…………お前みたいな女がいるなんてな」

 はっ――と彼は気が抜けたように宙に息を逃すと、薄く笑った。
 見慣れたいつもの、人を子馬鹿にしたような笑い方。でもそこには、少しだけ力が戻っていて。

「お前が言い出したら聞かねーやつなのはよくわかった……」
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