魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「お前の可愛いとこ、ちゃんと見つけてるんだぜ」
「――――んぅ!」

 その間にも手元はお留守にならず、適切な場面で私の身体を彼の指が刺激する。
 薄い布越しの愛撫が、さらに私の心の壁を取り去り快楽をエスカレートさせてゆく。

 知らなかった。直接触れ合うという行為が、こんなにも互いの隙間を埋めてしまうものだったなんて。私の内側に、直接彼の心の中身が――立場上、表に出せない悲しみや苦しみまでもを含めた感情が、直接注ぎ込まれてくるようで――……。

 耐え切れなくなりそうで、私は彼の背中を強く抱きしめる。それでも、絶対に逃げることはしないで……彼のすべてを受け止めたい。たとえ心のどこかが壊れてしまっても。

「……もっと、ください」
「ああ、来い」

 私は自分からも求め、口付けはさらに深く――引き返せないところまで入り込んでゆく。

(…………。……あ……れ……?)
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