魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
蕩けていく思考の片隅でそれに気付けたのは、偶然か、精霊の導きか。
苦みのような痺れのような、今までにない感覚が頭の奥をぴりぴりと刺激して、残っていた私の意識がわずかに引き寄せられた。それはおそらく、身体的な防御反応に近いものだったのだろう。最近の私はそれに何度も振れることで、過敏になっていたから。
どろりとした濃い、魔力の気配。スレイバート様の身体から発する清浄な氷の魔力とはあまりにも異なった、毒々しい穢れたもの。
(もしかして……)
茫洋とした思考の中で、私はその感触を放り出すまいと苦心する。
接している今なら分かる。彼の半身に集中し、今も身体中に根を伸ばそうと蠢く、この邪悪な害意に満ちたおどろおどろしい魔力は……。
(呪い――!)
本能的に理解した私が試すことたったひとつ。
いつものように、思考と身体を切り離すように、脈打つ鼓動をなんとか鎮め、深く意識の底へ……底へ!
苦みのような痺れのような、今までにない感覚が頭の奥をぴりぴりと刺激して、残っていた私の意識がわずかに引き寄せられた。それはおそらく、身体的な防御反応に近いものだったのだろう。最近の私はそれに何度も振れることで、過敏になっていたから。
どろりとした濃い、魔力の気配。スレイバート様の身体から発する清浄な氷の魔力とはあまりにも異なった、毒々しい穢れたもの。
(もしかして……)
茫洋とした思考の中で、私はその感触を放り出すまいと苦心する。
接している今なら分かる。彼の半身に集中し、今も身体中に根を伸ばそうと蠢く、この邪悪な害意に満ちたおどろおどろしい魔力は……。
(呪い――!)
本能的に理解した私が試すことたったひとつ。
いつものように、思考と身体を切り離すように、脈打つ鼓動をなんとか鎮め、深く意識の底へ……底へ!