魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
テレサの背中が消えると、俺は深い眠りについたシルフィーの頬に手を添え、少しだけ摘まんでみる。それでも起きないのでゆっくりと指を口元に近づけていった。
(悪いことしちまったな)
あの日のことを思い出して、心の中に浮かんだのは謝罪の言葉だ。まだ恋も知らない女の初めての唇を奪い、それ以上のことまで手を出しかけた。
シルウィーは俺を大切な人間と言ってくれたけれど、それでも……出会って間もない男に自ら身体を任せようとするなんて、心に相当の重圧を抱えさせていたはずだ。指先が唇に触れたところで己を戒め、ぐっと手を握り込む。
我ながら、呪いを自力で処理することができなかった自分の力不足に……そしてこんなもんを押し付けて早くに逝っちまった親父に、文句のひとつも言ってやりたくなる……。
早く仕事にも復帰したいが、まだ医者からは無理をしないように厳重注意を受けており、見つかるとテレサがうるさい。
暇を持て余した俺は、近くから椅子を引っ張って来るとそこで足を組み、頬杖を突いて――すやすやと眠るシルウィーを横目にどうしてこんなことになったのかを、少しばかり思い返すことにした――。
(悪いことしちまったな)
あの日のことを思い出して、心の中に浮かんだのは謝罪の言葉だ。まだ恋も知らない女の初めての唇を奪い、それ以上のことまで手を出しかけた。
シルウィーは俺を大切な人間と言ってくれたけれど、それでも……出会って間もない男に自ら身体を任せようとするなんて、心に相当の重圧を抱えさせていたはずだ。指先が唇に触れたところで己を戒め、ぐっと手を握り込む。
我ながら、呪いを自力で処理することができなかった自分の力不足に……そしてこんなもんを押し付けて早くに逝っちまった親父に、文句のひとつも言ってやりたくなる……。
早く仕事にも復帰したいが、まだ医者からは無理をしないように厳重注意を受けており、見つかるとテレサがうるさい。
暇を持て余した俺は、近くから椅子を引っ張って来るとそこで足を組み、頬杖を突いて――すやすやと眠るシルウィーを横目にどうしてこんなことになったのかを、少しばかり思い返すことにした――。