魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
――実は俺は、母親の顔を知らない。
いや俺だけでなく、城内の主だった人間ですら、誰も母親の顔を知らないというのだから、不可解を通り越して、貴族家にあるまじき由々しき話だと言えるだろう。
幼い頃にそのことを問いただすと、親父はこう答えた。
『私も若い頃は色々経験したのだよ。魔物討伐の際に大怪我を負い、それをたまたま助けてくれた女性と恋に落ちてな。愛し合った上にお前が生まれたのだ』と。
まあ、後年にそれすら嘘っぱちだったことが明かされるわけだが。
それから何年かすればさすがに分別もつき、領主の息子ということで、城内の人間もある程度の真実を漏らしてくれるようになる。それによると、魔物との戦いで怪我を負ったことは確からしく、なんと親父はその時、一年近くも行方不明になっていたらしいのだ。
最早亡くなったものとされ、親族が爵位を継ぐ準備をしていたところに、親父はふらりと帰ってきたというのだから城内は大騒ぎ。しかもそれに輪をかけ、赤子まで連れて帰ったとしたら、どうなると思う?
いや俺だけでなく、城内の主だった人間ですら、誰も母親の顔を知らないというのだから、不可解を通り越して、貴族家にあるまじき由々しき話だと言えるだろう。
幼い頃にそのことを問いただすと、親父はこう答えた。
『私も若い頃は色々経験したのだよ。魔物討伐の際に大怪我を負い、それをたまたま助けてくれた女性と恋に落ちてな。愛し合った上にお前が生まれたのだ』と。
まあ、後年にそれすら嘘っぱちだったことが明かされるわけだが。
それから何年かすればさすがに分別もつき、領主の息子ということで、城内の人間もある程度の真実を漏らしてくれるようになる。それによると、魔物との戦いで怪我を負ったことは確からしく、なんと親父はその時、一年近くも行方不明になっていたらしいのだ。
最早亡くなったものとされ、親族が爵位を継ぐ準備をしていたところに、親父はふらりと帰ってきたというのだから城内は大騒ぎ。しかもそれに輪をかけ、赤子まで連れて帰ったとしたら、どうなると思う?