魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『おとうさま……! いやぁ……どこにもいかないで!』

 枕元で泣きじゃくるテレサを配下に頼んで追い出させると、俺と二人きりになった親父は、瘦せこけた顔で告げた。

『――お前には、これから辛い運命を背負わせることになる』
『バカ言ってんじゃねぇ……! お得意の聖属性魔法でも使って、とっとと自分の病気を治してみせろよ! まだテレサも小さいのに、爵位みてーなくそ重たい荷物だけ背負わせてとっと逝っちまうなんて勝手な真似許さねーぞ!』
『ふふっ……』

 だが……親父は俺の吐き捨てた台詞を聞くと嬉しそうに笑いやがった。

『よく強く、(たくま)しく育ってくれた。自慢の息子だ。私ではどうにもできなかったが、この呪いを、お前なら乗り越えられると信じている……信じさせて欲しいのだ、息子よ』
『だからなにを――』

 そして――いよいよ頭でもおかしくなったかと疑う俺に、親父は驚愕の事実を口にした。

『お前は、精霊の子だ』
『……なんだって?』
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