魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
しかし、もちろん目には見えず、あくまで人々の信仰のよりどころとなっているだけ。実在を信じているやつなんてほとんどいない。
だが、親父はこう続けた。
『私はその精霊に頼まれごとをされたのだ。当時、私が討伐に赴いた魔物の大量発生は、大地が邪な力により汚染されたことで起こっていた。それに毒された精霊にはもはやこの地方を守る力がなく……もうすぐ彼女は消え、このままではその身に溜め込まれていた不浄なる力が災いを引き起こす。だから契約を結び、その身に掛けられた呪いを受け持ってほしいとな……』
『本気で、そんなことがあったって言ってんのか……?』
問いかけにも親父の瞳は揺るがない。絶対に嘘は言っていないと、そう確信する。
『私は呪いを受け入れるためにしばらくをその精霊――お前の母とともに過ごした。雪のように白い髪をしたその女は美しく純粋で、私はいつしか、本当の夫婦のような愛情を抱いていた。だが、穏やかな毎日はあっという間に過ぎ、彼女はお前を残して消えた』
その時のことを噛み締めるように目をつぶると、親父は俺を見る。
『お前を抱いてこちら側に返ってきた時には、もうすでに呪いは我が身の内に移っており、私は予感した。この呪いは宿主と周囲の負の思念を吸って成長し、その死と共に大地に膨大な災禍をばら撒くものだと。そして、自分の役割を確信したのだ。この呪いを我が身に留め、ボースウィン領を守り抜く。そして、次の世代にこの地の平和を託すこと……おそらくそのために、私達は代々祖先からこの魔力を受け継いできたのだろうと』
だが、親父はこう続けた。
『私はその精霊に頼まれごとをされたのだ。当時、私が討伐に赴いた魔物の大量発生は、大地が邪な力により汚染されたことで起こっていた。それに毒された精霊にはもはやこの地方を守る力がなく……もうすぐ彼女は消え、このままではその身に溜め込まれていた不浄なる力が災いを引き起こす。だから契約を結び、その身に掛けられた呪いを受け持ってほしいとな……』
『本気で、そんなことがあったって言ってんのか……?』
問いかけにも親父の瞳は揺るがない。絶対に嘘は言っていないと、そう確信する。
『私は呪いを受け入れるためにしばらくをその精霊――お前の母とともに過ごした。雪のように白い髪をしたその女は美しく純粋で、私はいつしか、本当の夫婦のような愛情を抱いていた。だが、穏やかな毎日はあっという間に過ぎ、彼女はお前を残して消えた』
その時のことを噛み締めるように目をつぶると、親父は俺を見る。
『お前を抱いてこちら側に返ってきた時には、もうすでに呪いは我が身の内に移っており、私は予感した。この呪いは宿主と周囲の負の思念を吸って成長し、その死と共に大地に膨大な災禍をばら撒くものだと。そして、自分の役割を確信したのだ。この呪いを我が身に留め、ボースウィン領を守り抜く。そして、次の世代にこの地の平和を託すこと……おそらくそのために、私達は代々祖先からこの魔力を受け継いできたのだろうと』