魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『じゃあ……あんたはずっとそんなものを抱えたまま、ここを守ってきたっていうのか!?』
親父は小さく口の端を上げただけで……その後、俺に目線で詫びた。
『足掻いては来たが、封じておくのが精いっぱいだった。時期を見て、マルグリットにも相談すべきだったが、あのようなことになるとはな……。すまない……』
『なんで、誰にも……俺達になにも言わなかったんだよ! なにか方法を探すくらいはしてやれたかもしれねえだろ!』
俺はぎりぎりと歯を噛み締めながら、親父の肩を掴む。すると親父は『眩しく成長してゆくお前たちの邪魔をしたくはなかったのだ』と、困ったように呟いた。
俺だって本当は分かってる。聖属性魔法の強力な使い手だった親父が解除を諦めるほどの呪いを解けるやつがおいそれと見つかるはずがない。それを見越して親父は俺の成長と、いつかそれができるような人物が現れてくれることに賭けた。
親父だって、母親のためにもできることならば自分の手で決着をつけ、憂いなく次の世代にこの領地を譲り渡したかっただろう。それができないから、自分の身体を犠牲にして呪いを封じ込め、誰にも言わず長い時を耐えることを選択した。
それを知った俺は……自分が恥ずかしくて堪らなかった。俺はいつだって親父の鼻を明かしてやることばかり考えていたのに……ひたすら苦痛を押し隠し、この人はただ、俺達や領民のことだけを考えて……。
親父は小さく口の端を上げただけで……その後、俺に目線で詫びた。
『足掻いては来たが、封じておくのが精いっぱいだった。時期を見て、マルグリットにも相談すべきだったが、あのようなことになるとはな……。すまない……』
『なんで、誰にも……俺達になにも言わなかったんだよ! なにか方法を探すくらいはしてやれたかもしれねえだろ!』
俺はぎりぎりと歯を噛み締めながら、親父の肩を掴む。すると親父は『眩しく成長してゆくお前たちの邪魔をしたくはなかったのだ』と、困ったように呟いた。
俺だって本当は分かってる。聖属性魔法の強力な使い手だった親父が解除を諦めるほどの呪いを解けるやつがおいそれと見つかるはずがない。それを見越して親父は俺の成長と、いつかそれができるような人物が現れてくれることに賭けた。
親父だって、母親のためにもできることならば自分の手で決着をつけ、憂いなく次の世代にこの領地を譲り渡したかっただろう。それができないから、自分の身体を犠牲にして呪いを封じ込め、誰にも言わず長い時を耐えることを選択した。
それを知った俺は……自分が恥ずかしくて堪らなかった。俺はいつだって親父の鼻を明かしてやることばかり考えていたのに……ひたすら苦痛を押し隠し、この人はただ、俺達や領民のことだけを考えて……。