魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
俺は、強く呼びかけようとしてやめた。もう瞳の光は消えており、手は置物のように冷たくなっている。肩を揺さぶり、みっともない姿で泣き喚きたいという衝動に駆られそうになるが、拳をぐっと握りしめ、必死に耐える。最後まで泣き言のひとつも言わず、この人は十分に頑張ってくれた。もう、静かに眠らせてやりたい。
『……親父、見守っていてくれ。あんたみたいにできるか分からないけど……』
俺が親父に惜別の言葉を送っているとどこからか、大きな存在を失いぽっかりと空いた心の隙間に何かが流れ込んでくるのを感じた。おそらく、これがその呪い。
まるで、背中に重しでも乗せられているかのような倦怠感がはっきりと身体を包み始め、俺の額にじわりと汗が滲む。だが、簡単には屈しない……。親父とも約束したように、なんとしてでも耐え抜いて、解決の方法を見つける。それが俺が彼にしてやれる唯一の手向けなのだから。
そうして、強い決心と共に俺はその日を境にボースウィン公爵の名を名乗り始めた。
(それからは、ろくなことがなかったっけな……)
『……親父、見守っていてくれ。あんたみたいにできるか分からないけど……』
俺が親父に惜別の言葉を送っているとどこからか、大きな存在を失いぽっかりと空いた心の隙間に何かが流れ込んでくるのを感じた。おそらく、これがその呪い。
まるで、背中に重しでも乗せられているかのような倦怠感がはっきりと身体を包み始め、俺の額にじわりと汗が滲む。だが、簡単には屈しない……。親父とも約束したように、なんとしてでも耐え抜いて、解決の方法を見つける。それが俺が彼にしてやれる唯一の手向けなのだから。
そうして、強い決心と共に俺はその日を境にボースウィン公爵の名を名乗り始めた。
(それからは、ろくなことがなかったっけな……)