魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「廃棄分の魔石を父から預かってきましたので、ここに置いておきますね」
「ええ、ご苦労様。また後で魔力を込め直しておくわ」

 現在レーフェル町長宅に住み込んでいる彼らは、私たちの警護役として働いてくれている人達。女ふたりのこの環境に置いては心強い味方だ。
 そんな彼らが運んでくれた箱の中にぎっしり詰まる半透明の結晶体を見て、私はにんまりと笑みを浮かべる。

 これらは、魔道具の動力として使用済みの、中身が空っぽの魔石群だ。
 そして私は先日、周囲から吸収した瘴気などの魔力を、この捨てるしかない魔石たちに補充できることが分かった。そこで……ルシドやそのお父上であるレーフェル町長の手をお借りして、使い切った魔石を再利用して売りに出すお店を開くことにしたのである。その名も、【シルウィー魔石店】。ちょっと安直過ぎるくらいそのまんまだ。

 廃棄魔石を買い取って、瘴気から変換された純粋な魔力中に移し、また元通りにして通常より少し抑えた価格で売ると……それだけで莫大な差益を生み出せる。

 一応断っておくけれど、これは必要に迫られてのことで、本当はもっと安価で売ることも考えていた。けれどそうすると、相場が崩壊し他の魔石を販売する商人が路頭に迷うとまで言われれば、勝手なことをする訳にもいかない。なので得た金額の半分以上はボースウィン領の復興資金に充てるということで決着し、スレイバート様にも了承を得て、晴れてこうしてお店を開くこととなった。
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