魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 スレイバート様よりも五つか六つほど年下で、そろそろ結婚を視野に入れ始める年齢だというのはテレサの談。ちなみに彼女とルシドの距離は近いが、それは幼い頃からの付き合いのせいで、どちらかといえば主従関係に近いものだとも話していた。

 浮いた話はないそうだけど、この年でボースウィン領騎士団でも有数の腕前を誇っているというのだから、彼と結ばれたいと思う女性はきっと、山といるはず。

(これから色々大変だと思うけれど、頑張って……)

 スレイバート様もそうであるが、多くの人に求められるというのは、羨ましい反面とても大変そうだ。私は自身が平凡な容姿に生まれたことにほっとしつつ、心の中で彼につい失礼なエールを送ってしまうのであった。
 さておき、彼との世間話は続いていく。

「ルシドは、将来的にどうするつもりとか、考えてる? このままスレイバート様の元で騎士として務め続けるのか。それともお父様の後を継ぐとか……。私も将来のことで色々と悩んでいて、よかったら、参考に聞かせてもらってもいい?」
「うーん……そうですね」

 やや踏み込んだ、プライベートな質問。私がこんなことを聞いたのも……実はレーフェルの町長さんにそれとなく尋ねてみるよう頼まれていたから。
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