魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
それに私自身、スレイバート様との婚約関係がもし終わってしまったとして……この先どうするのかを自分でも定められていない。実家のハクスリンゲン家がどうなっているのかを確かめにいくことなども、つい躊躇ってしまっている。
これからの長い人生をこの土地で送りたいと思っているのは本当だけれど、すべてに決着をつけて新しい道に踏み出すというのはとても勇気がいる。だから恥ずかしながら、もう少しだけ色々な人の話を聞いて、参考にさせてもらいたいなという気持ちもあり、町長さんの話を引き受けることにしたのだけど……。
でも沈黙する彼を前にすると、会って日が浅い私が口にしていい話題ではなかったかな、と少しばかり反省してしまった。
「ごめんね、無理しないで。変なこと聞いちゃった」
「あ、いえ……! 僕のことに興味を持ってもらえたのは嬉しいですし、実は自分でも、そろそろ答えを出さないといけないなとも思っていましたから。よかったら、相談に乗っていただいても、いいですか?」
「……! 私なんかでいいのなら、喜んで」
相変わらずの低姿勢でそんな風に言われたら、つい力を貸してあげたくなる――これもまた彼の人間的魅力のなせる業なのかな、なんて思いつつも、意気込んだ私は身を乗り出した。
すると、彼は膝の前で組んだ手に視線を落とし、やや困ったような顔をして話し出す。
これからの長い人生をこの土地で送りたいと思っているのは本当だけれど、すべてに決着をつけて新しい道に踏み出すというのはとても勇気がいる。だから恥ずかしながら、もう少しだけ色々な人の話を聞いて、参考にさせてもらいたいなという気持ちもあり、町長さんの話を引き受けることにしたのだけど……。
でも沈黙する彼を前にすると、会って日が浅い私が口にしていい話題ではなかったかな、と少しばかり反省してしまった。
「ごめんね、無理しないで。変なこと聞いちゃった」
「あ、いえ……! 僕のことに興味を持ってもらえたのは嬉しいですし、実は自分でも、そろそろ答えを出さないといけないなとも思っていましたから。よかったら、相談に乗っていただいても、いいですか?」
「……! 私なんかでいいのなら、喜んで」
相変わらずの低姿勢でそんな風に言われたら、つい力を貸してあげたくなる――これもまた彼の人間的魅力のなせる業なのかな、なんて思いつつも、意気込んだ私は身を乗り出した。
すると、彼は膝の前で組んだ手に視線を落とし、やや困ったような顔をして話し出す。