魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「――すみません。やっぱり、こんな話をしても困らせるだけですね。やめておきましょう、なにか違う話を――」
「待って――」
けれど、せっかくこうして胸の裡を明かしてくれたのだ。せめてなにか元気づける言葉でもかけてあげたい。そう思った私は、苦笑していた彼の言葉を遮ると、自分の中から慎重に言葉を選び出す。
「ルシドは……その、ご家族と……会いたいと思ってる?」
すると彼は迷わずに頷いた。
「ええ。特に姉は……僕が大変お世話になった人で。だから……彼女の安否だけでも、どうしても確認したいとは、思ってます」
「そのことは……スレイバート様たちに相談は?」
「いいえ。これ以上彼らに迷惑はかけたくなくて」
「そう……よね」
彼の性格からも予想できた答えに、私は深く頷くと思い出す。ルシドは、ボースウィン家に大きな恩義があるとを話していたから……きっとこの領地に仕える騎士として、勝手な行動を取ることを自らに戒めているのではないか。そこまで重たく考える必要もないと思うのだが、義理堅い彼の中では、実の家族に連絡を取ろうとすることさえ、自分を救ってくれたスレイバート様たちへの裏切りに他ならないという思いがあるのかもしれない。もしそうなら――。
「待って――」
けれど、せっかくこうして胸の裡を明かしてくれたのだ。せめてなにか元気づける言葉でもかけてあげたい。そう思った私は、苦笑していた彼の言葉を遮ると、自分の中から慎重に言葉を選び出す。
「ルシドは……その、ご家族と……会いたいと思ってる?」
すると彼は迷わずに頷いた。
「ええ。特に姉は……僕が大変お世話になった人で。だから……彼女の安否だけでも、どうしても確認したいとは、思ってます」
「そのことは……スレイバート様たちに相談は?」
「いいえ。これ以上彼らに迷惑はかけたくなくて」
「そう……よね」
彼の性格からも予想できた答えに、私は深く頷くと思い出す。ルシドは、ボースウィン家に大きな恩義があるとを話していたから……きっとこの領地に仕える騎士として、勝手な行動を取ることを自らに戒めているのではないか。そこまで重たく考える必要もないと思うのだが、義理堅い彼の中では、実の家族に連絡を取ろうとすることさえ、自分を救ってくれたスレイバート様たちへの裏切りに他ならないという思いがあるのかもしれない。もしそうなら――。