魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 彼女が言うには、その魔物達は普段討伐に慣れている村の戦士たちでも手が出せないほどに強力で、瞬く間に、村民達は緊急で張った結界内に閉じ込められてしまった。

 いつ魔石の魔力が切れるかもわからず、今にも結界が破られてしまうかもしれないという恐怖の中、幼かった彼女は精霊様にどうか私たちをお助けくださいと、何時間も祈り続けたそうな。

 激しい物音や魔物の叫び声が荒々しく響き渡った後、その内辺りから物音が聞こえなくなって……異様な静寂の中、もう自分も家族もダメなのかもしれない、と諦めかけた時――。
 勇気を出して、籠っていた建物の外に様子を見てきた男性がこう叫んだのだという。

『み、皆……! もう大丈夫だ! 騎士様たちが……ボースウィン領騎士団の方たちが、全部やっつけてくれたぞ!』

 信じられない思いで外に踏み出した村人たちは、そこに氷漬けになった大量の魔物達を見つける。
そして、その周りには銀色の甲冑で身体を包んだ騎士達が立ち並び……その真ん中にひとりの、光を放つような美しい男性が立っていた。

『あ、あの方は、まさか……ボースウィン公アルフリード様!? こ、こんな小さな村に領主様自ら助けに来てくださるとは……なんという慈悲深いお方なのだ』
『ありがたや、ありがたや……』
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