魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「えっ、でも護衛たちが……」
怯えながら侍女たちは戸惑うが、外から「おい、こんな安い仕事で命を奪われちゃ叶わねえ! 撤退だ、馬車なんざほっとけ!」なんて護衛のリーダーの声が聞こえたものだから――
「冗談でしょ、きゃあああああ!」
「私たちがどうしてこんな目に遭わなきゃならないのよ!」
泡を食った彼女達は我先に馬車から飛び降りてゆく。
そう言いたいのは私も同じだが、今は文句よりも避難が先と、外へ出て辺りを見回す。
すると護衛達ももう半分以上が逃げ散ってしまっていて、残りも逃走用の馬を奪い合ったりして、ひどい状況だった。
「どけっ!」
「うっ!」
呆然としていた私は男のひとりに突き飛ばされて尻もちをつく。しかし、そうして走って逃げた男の背中にも、火吐き燕の火球が命中して倒れ込み、私はぞっとして頭上を見る。やつらは木の枝に鈴なりで、もう誰かがどうこうできる状況じゃなさそうだった。
怯えながら侍女たちは戸惑うが、外から「おい、こんな安い仕事で命を奪われちゃ叶わねえ! 撤退だ、馬車なんざほっとけ!」なんて護衛のリーダーの声が聞こえたものだから――
「冗談でしょ、きゃあああああ!」
「私たちがどうしてこんな目に遭わなきゃならないのよ!」
泡を食った彼女達は我先に馬車から飛び降りてゆく。
そう言いたいのは私も同じだが、今は文句よりも避難が先と、外へ出て辺りを見回す。
すると護衛達ももう半分以上が逃げ散ってしまっていて、残りも逃走用の馬を奪い合ったりして、ひどい状況だった。
「どけっ!」
「うっ!」
呆然としていた私は男のひとりに突き飛ばされて尻もちをつく。しかし、そうして走って逃げた男の背中にも、火吐き燕の火球が命中して倒れ込み、私はぞっとして頭上を見る。やつらは木の枝に鈴なりで、もう誰かがどうこうできる状況じゃなさそうだった。