魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
落ち込んだ様子の少年を眺めながら、私はゆっくりと状況を把握していった。そりゃああんな高さから落ちて怪我もなく無事でいるはずがない。ルシドは風魔法が使えるから、おそらく私たちを追って飛んだ後、ふたり抱えたまま大気中で減速し、足元の地面へ着地したのだろう。これで都合、彼には二度も命を助けてもらうことになった。
「君はどう? どこか痛いところとかない?」
「うん、お兄ちゃんとお姉ちゃんのおかげでどこも。ごめんね、僕が雪の上で暴れたせいで……」
鼻を啜り、じわりと涙を浮かばせる少年の姿に、叱るべきか、慰めるべきか、迷った私は戸惑いがちに背中を摩ってあげた。すると彼も彼なりにこちらを気遣ってくれているのか、私が気を失った後のことを話し始めた。
落下中も意識を留めていた少年の話によると、着地した後ルシドは雪洞をつくり、火を起こして中を温め私を寝かせた。そしてじっとしているように少年に言いつけると、魔法で結界を貼り、すぐ戻るからとどこかへ行ってしまったのだとか。
確かによく見てみると、壁にぽっかりと人ひとりが屈んで潜れそうな横穴が開いていた。
ルシドがそう言ったのなら、多分どこかに助けを呼びにでも行ってくれたのではないかと思った私は、下手に動くのもなんだしと、少年にあそこにいた理由を聞いてみることにした。
「君はどう? どこか痛いところとかない?」
「うん、お兄ちゃんとお姉ちゃんのおかげでどこも。ごめんね、僕が雪の上で暴れたせいで……」
鼻を啜り、じわりと涙を浮かばせる少年の姿に、叱るべきか、慰めるべきか、迷った私は戸惑いがちに背中を摩ってあげた。すると彼も彼なりにこちらを気遣ってくれているのか、私が気を失った後のことを話し始めた。
落下中も意識を留めていた少年の話によると、着地した後ルシドは雪洞をつくり、火を起こして中を温め私を寝かせた。そしてじっとしているように少年に言いつけると、魔法で結界を貼り、すぐ戻るからとどこかへ行ってしまったのだとか。
確かによく見てみると、壁にぽっかりと人ひとりが屈んで潜れそうな横穴が開いていた。
ルシドがそう言ったのなら、多分どこかに助けを呼びにでも行ってくれたのではないかと思った私は、下手に動くのもなんだしと、少年にあそこにいた理由を聞いてみることにした。