魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
少年はそれを身体の奥に抱え込み、絶対離さないというように顔を背ける。ルシドがなにか言いかけたけれど、親と離れて心細い子どもに圧力をかけるようなことはしたくない。私はそれを制すと、ダメもとで交換条件を持ちかけてみることにした。
スレイバート様からあの衣裳部屋で着替えた後にいただいた、大粒の真珠のネックレス。それを首から外すと、少年に渡してあげる。
「なら、お姉ちゃんのこの首飾りと、交換してもらえない? 本当に大切なもので……どうしても、その人に返してあげて喜ぶ顔が見たいから、お願い!」
私が頭を下げて頼み込むと、少年は最初渋い顔をしていたが、さんざん唸ると……やがて、こくりと頷いてくれた。
「分かったよ。助けてくれたお姉ちゃんが頼むんなら、仕方ない。交換してあげる」
「ありがとう!」
少年の手が伸ばされ、私の手の中にペンダントを落とし込んだ。そんな彼を私はぎゅっと抱き締めると、首に直接真珠の首飾りを付けてあげようとしたのだが、彼はそれを断った。
「ううん。これ、僕のじゃなくて、お母さんにあげようと思うんだ。いっつも心配させちゃってるし。だから、そのまま持って帰る」
「えらいわ」
スレイバート様からあの衣裳部屋で着替えた後にいただいた、大粒の真珠のネックレス。それを首から外すと、少年に渡してあげる。
「なら、お姉ちゃんのこの首飾りと、交換してもらえない? 本当に大切なもので……どうしても、その人に返してあげて喜ぶ顔が見たいから、お願い!」
私が頭を下げて頼み込むと、少年は最初渋い顔をしていたが、さんざん唸ると……やがて、こくりと頷いてくれた。
「分かったよ。助けてくれたお姉ちゃんが頼むんなら、仕方ない。交換してあげる」
「ありがとう!」
少年の手が伸ばされ、私の手の中にペンダントを落とし込んだ。そんな彼を私はぎゅっと抱き締めると、首に直接真珠の首飾りを付けてあげようとしたのだが、彼はそれを断った。
「ううん。これ、僕のじゃなくて、お母さんにあげようと思うんだ。いっつも心配させちゃってるし。だから、そのまま持って帰る」
「えらいわ」