魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
その手には、しっかりと渡したペンダントが握られていて……今日のこの出来事も、いずれ彼にとって楽しい思い出のひとつとなることを願う。
そんな姿を見届けて顔をあげると、ふいにルシドの柔らかい表情と目が合った。
「どうかした?」
「いえ、少し羨ましくて。僕も周りの人も、家族とうまくいかなかったり失くしたりする人が多いから……」
「そうね……」
私もあまり家族の温かみを知ることなく育ったし、ルシドだって本当の家族を自分の生まれた国に置いてきている。この時代、魔物との戦いや戦争などが絶えないことを考えると、ずっと一緒にいられる家族の方が珍しいのかも。
(家族かぁ……)
こちらに来てたくさんの人と出会ったことで、自ずとその人達と血の繋がりのある人たちについても触れることとなった。私自身、スレイバート様から母のことを聞かせてもらい、家族について考え直すことも多くなっている。
肖像画の中の人でしかなかった母についても具体的なエピソードのおかげで身近な人として捉えられるようになり、あの絶対に許せない大嫌いな父ですら、ふと時折、なんらかの理由で私を虐げる必要があったのではないか、なんてちらりと過ぎるようになってしまった。
そんな姿を見届けて顔をあげると、ふいにルシドの柔らかい表情と目が合った。
「どうかした?」
「いえ、少し羨ましくて。僕も周りの人も、家族とうまくいかなかったり失くしたりする人が多いから……」
「そうね……」
私もあまり家族の温かみを知ることなく育ったし、ルシドだって本当の家族を自分の生まれた国に置いてきている。この時代、魔物との戦いや戦争などが絶えないことを考えると、ずっと一緒にいられる家族の方が珍しいのかも。
(家族かぁ……)
こちらに来てたくさんの人と出会ったことで、自ずとその人達と血の繋がりのある人たちについても触れることとなった。私自身、スレイバート様から母のことを聞かせてもらい、家族について考え直すことも多くなっている。
肖像画の中の人でしかなかった母についても具体的なエピソードのおかげで身近な人として捉えられるようになり、あの絶対に許せない大嫌いな父ですら、ふと時折、なんらかの理由で私を虐げる必要があったのではないか、なんてちらりと過ぎるようになってしまった。