魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 というのも、最近スレイバートからはシルウィーを無理に遠ざけようとする動きが目立っている。

 テレサとしては、大好きな兄を救ってくれたシルウィーこそが絶対にスレイバートと結ばれるべきだと信じて疑わないし……本当の姉になって欲しいとも、もちろん思っている。

 なのにどうも、スレイバートは呪いを解いてくれたシルウィーに対し、自分では幸せにしてやれないというような妙な思い込みをこじらせている様子。そればかりか、シルウィー本人までもがスレイバートから身を引こうとするように、街で仕事など始めてしまった。
 これは二人が大好きなテレサとしては見過ごせない。

 そこで急遽彼女もシルウィーに同行し、ルシドにも協力を仰いで……ふたりにとって互いがどれだけ大切なのかを、とくと再認識させてやろう、と目論んだのだが……。

(まさか、こんな事件が起こってしまうなんてね……)

 シルウィーの純粋さと犠牲心を見誤っていたというしかない。まさか、自分と全く関係の無い見ず知らずの子供まで命懸けで助けようとするとは。
 さすがにそんなトラブル、いくら鍛えられた騎士団のホープであっても対応しきれないだろうし、あの様子だと今後も何かあれば同じようなことになるのは明白だ。
< 265 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop