魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そう言われると、なるほど……節くれだった登りやすそうな木がいくつか立ち、小さな花畑にテーブルと、ベンチまである。ここで小さい頃の彼らが思い思いに過ごしていたのが、目に浮かぶようだ。
「さあ、なんなりと。悩み多き若者たちに忠告するのも、私たち、先人の務めですから」
施設の手入れはされているのか、埃もないベンチの上に私が腰を落ち着けると、彼は軽くウインクをして、気負わない態度で話を促してくれた。なんだか私もふっと気が楽になり、先日の出来事を掻いつまんで説明していく。
「――そんな感じで、スレイバート様とはそれきりで。どうしてあんなに彼が怒っているのかは分からないんですけど……とにかく、ちゃんと仲直りしてもらいたいと思いまして」
「ほー……それは、困りましたね。(あなたが、なにが原因か自覚されていないところが余計に)」
すると彼は先程までの自信もどこへやら。非常に微妙な表情をしたまま、独り言のようにこしょこしょと呟く。そして咳ばらいをし、こちらに背筋を伸ばして相対した。
「おほん。え~、時にシルウィー様は、閣下のことをどのように思われているのでしょう? 彼もね、そろそろご結婚を急がねばならない年齢になってきているのですが……」
「さあ、なんなりと。悩み多き若者たちに忠告するのも、私たち、先人の務めですから」
施設の手入れはされているのか、埃もないベンチの上に私が腰を落ち着けると、彼は軽くウインクをして、気負わない態度で話を促してくれた。なんだか私もふっと気が楽になり、先日の出来事を掻いつまんで説明していく。
「――そんな感じで、スレイバート様とはそれきりで。どうしてあんなに彼が怒っているのかは分からないんですけど……とにかく、ちゃんと仲直りしてもらいたいと思いまして」
「ほー……それは、困りましたね。(あなたが、なにが原因か自覚されていないところが余計に)」
すると彼は先程までの自信もどこへやら。非常に微妙な表情をしたまま、独り言のようにこしょこしょと呟く。そして咳ばらいをし、こちらに背筋を伸ばして相対した。
「おほん。え~、時にシルウィー様は、閣下のことをどのように思われているのでしょう? 彼もね、そろそろご結婚を急がねばならない年齢になってきているのですが……」