魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「いいんですか!?」
「ただし! シルウィー様はそれまでに、スレイバート様の今までの言動を思い返して……彼がご自身にとってどういう方であるかをとくと考えておいてください! いいですね?」
「は……はぁ」

 ぴしゃりと言われ頷くしかない私を見ると、クラウスさんは満足げに頷き「では、そろそろ外せない会議がありますので」と、しゅたっと揃えた指を上げて去っていってしまう。

「スレイバート様がどんな人か……かぁ」

 それを考えろということは、先程の「領民に愛される立派な領主様」という解答では不足している、ということだ。
 しかしそれ以外になにがあるというの……?

 言葉選びの問題で、英雄だとか、稀代の名君だとか言っておけば合格点をもらえたのかもしれないけれど、どうもそんな感じじゃない気もしている。

 でも……なにはともあれクラウスさんが彼との和解の場を設けてくれるというし、一歩前進。
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