魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「今日は最後に、あのふたりで模擬線をするみたいなんです」
「えっ⁉ 大丈夫なの……?」
それを聞いた私の心配はスレイバート様の体調に向く。だってまだ、彼が呪いから回復してから数カ月しか経っていない。出会ってすぐに彼の強さは目の当たりにしたけれど、それでもひどい苦しみであわや命を落としかけたあの人が、こんなにも早く満足に戦えるようになるものなのだろうか。
けれどテレサは自信満々に兄の姿を見つめている。
「大丈夫です。呪いが消えてからお兄様の調子がすこぶるいいのは知っての通りですし。最近は毎日鍛え直して、失った体力もずいぶん戻ったみたいですから」
「そうなの……?」
妹のテレサがそう言うのならと心配を胸の内に収めたが……こういう場面に慣れていない私からしたら、訓練だと分かっていてもはらはらしてきた。
さっと、ふたりが中央で立ち会うと構えたのは木剣だ。スレイバート様の表情には余裕が見え、一方ルシドはやや堅い。
「えっ⁉ 大丈夫なの……?」
それを聞いた私の心配はスレイバート様の体調に向く。だってまだ、彼が呪いから回復してから数カ月しか経っていない。出会ってすぐに彼の強さは目の当たりにしたけれど、それでもひどい苦しみであわや命を落としかけたあの人が、こんなにも早く満足に戦えるようになるものなのだろうか。
けれどテレサは自信満々に兄の姿を見つめている。
「大丈夫です。呪いが消えてからお兄様の調子がすこぶるいいのは知っての通りですし。最近は毎日鍛え直して、失った体力もずいぶん戻ったみたいですから」
「そうなの……?」
妹のテレサがそう言うのならと心配を胸の内に収めたが……こういう場面に慣れていない私からしたら、訓練だと分かっていてもはらはらしてきた。
さっと、ふたりが中央で立ち会うと構えたのは木剣だ。スレイバート様の表情には余裕が見え、一方ルシドはやや堅い。