魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「結界を貼ったってことは、魔法の使用も許可されてるの?」
「ええ、なんでもありです。とはいえ、特殊な魔道具である程度制限されていますけれど」
彼らの手首には見慣れない白い腕輪が嵌まっているし、多分あれが一定以上の攻撃力を持った魔法を阻害するものなのだろう。
それに、戦闘に慣れた魔法士は、魔力による防御結界を己に張り巡らせながら戦うこともできるから、よっぽどのことでないと大怪我したりはしないはず。
それが分かっていてもそわそわする私の視線の先で、審判役らしき騎士が出て来てさっと旗を上げた。ぴりっと周囲の空気がひりついてきて、始まりの予感に訓練場が静まり返る。
(あ…………)
その時――スレイバート様がちらりとこちらを見た気がして、私は軽く手を振った。見えたかどうかは分からなかったけれど、彼はすぐに顔を戻し、すっとその目元が細まる。
「双方、準備はよろしいか……。それでは、始めっ!」
ばっと旗が降り――ふたりの剣先が挨拶代わりにカッと合わさると、模擬線が始まった。
「ええ、なんでもありです。とはいえ、特殊な魔道具である程度制限されていますけれど」
彼らの手首には見慣れない白い腕輪が嵌まっているし、多分あれが一定以上の攻撃力を持った魔法を阻害するものなのだろう。
それに、戦闘に慣れた魔法士は、魔力による防御結界を己に張り巡らせながら戦うこともできるから、よっぽどのことでないと大怪我したりはしないはず。
それが分かっていてもそわそわする私の視線の先で、審判役らしき騎士が出て来てさっと旗を上げた。ぴりっと周囲の空気がひりついてきて、始まりの予感に訓練場が静まり返る。
(あ…………)
その時――スレイバート様がちらりとこちらを見た気がして、私は軽く手を振った。見えたかどうかは分からなかったけれど、彼はすぐに顔を戻し、すっとその目元が細まる。
「双方、準備はよろしいか……。それでは、始めっ!」
ばっと旗が降り――ふたりの剣先が挨拶代わりにカッと合わさると、模擬線が始まった。