魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
(み、見えないんだけど……)
立て続けに目では追えない攻撃の応酬が繰り返され、ふたりは互いの技を躱しつつ激しく位置を入れ替える。まだどちらも相手の剣に触れた様子がないのが不思議なくらいだ。見ているだけで、神経がすり減ってくる。
「むむむ……ルシドもまた腕をあげましたわね! けれど、お兄様の方が優勢だわ」
でもって、兄贔屓のテレサの言う通り数分で戦況は傾き始めた。素人が見ても分かる通り、スレイバート様の攻撃回数の方が圧倒的に多くなってきている。
次第に防戦一方になってきたルシド。だが、これは魔法ありきの勝負だということを忘れてはならない。
スレイバート様がなにかを呟いた――それがきっかけか、挑発するように口角を上げた彼に反応して、ルシドはバックステップ。険しい目つきで集中する。
金髪が靡き、緑の光がその手に集まった瞬間、風の刃が舞い飛んだ。
一度に十本近く放たれたそれはスレイバート様の寸前で、突如空中に生み出された氷の壁に阻まれる。ルシドも手慣れているが、後出しでそれを上回るとんでもない起動の速さ。スレイバート様の魔法はまるでイメージを浮かべるのではなく、魔力が直接彼の意志に従っているようだ。
立て続けに目では追えない攻撃の応酬が繰り返され、ふたりは互いの技を躱しつつ激しく位置を入れ替える。まだどちらも相手の剣に触れた様子がないのが不思議なくらいだ。見ているだけで、神経がすり減ってくる。
「むむむ……ルシドもまた腕をあげましたわね! けれど、お兄様の方が優勢だわ」
でもって、兄贔屓のテレサの言う通り数分で戦況は傾き始めた。素人が見ても分かる通り、スレイバート様の攻撃回数の方が圧倒的に多くなってきている。
次第に防戦一方になってきたルシド。だが、これは魔法ありきの勝負だということを忘れてはならない。
スレイバート様がなにかを呟いた――それがきっかけか、挑発するように口角を上げた彼に反応して、ルシドはバックステップ。険しい目つきで集中する。
金髪が靡き、緑の光がその手に集まった瞬間、風の刃が舞い飛んだ。
一度に十本近く放たれたそれはスレイバート様の寸前で、突如空中に生み出された氷の壁に阻まれる。ルシドも手慣れているが、後出しでそれを上回るとんでもない起動の速さ。スレイバート様の魔法はまるでイメージを浮かべるのではなく、魔力が直接彼の意志に従っているようだ。