魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
痛みや苦痛、喪失の恐怖で自分を追い詰めるだけでは……多分、いずれ前に踏み出すことはできなくなる。
それはずっと、区切りも道標もない暗闇の中を突き進む行為に等しいから。
「今までの出会いも、お姉さんの優しい記憶も、どちらもあなたにとって失ってはならないものだと思うの。だって私、ひとりで無力な自分や周りを憎んで苦しんでいるだけじゃ、なんにも変われなかった。あなたたちが、私が変わるきっかけを与えてくれたの。ここで出会えた皆がいて、役に立ちたいと思えたからこそ……あの力が目覚めてくれたんだと思う」
私は握りしめられたルシドの両手を解き、自分の手を重ねる。
「辛いことに立ち向かおうとする気持ちは必要。でもそれだけじゃ未来はきっと見えてこない。だから……ルシド、大切な人との関わりを捨てないで。ひとりで強くなろうとせず、これまであなたを支えてくれた人たちのことを忘れずに、そこから生まれた希望を保ち続けて。大変なことだけど、諦めないで何度でも立ち上がって進めば、いつか届く。あなたになら、それができると思うの」
「シルウィー様……」
無責任な押し付けだとは、自分でも思う。でも……どうしても彼には後ろ向きな理由でこの先の人生を戦ってほしくなかった。ルシドが、これまでに得てきたり、誰かから受け取ってきたたくさんの大事なものを重荷ではなく力に変えて、胸に描いた望みを目指し進んで行って欲しい。
それはずっと、区切りも道標もない暗闇の中を突き進む行為に等しいから。
「今までの出会いも、お姉さんの優しい記憶も、どちらもあなたにとって失ってはならないものだと思うの。だって私、ひとりで無力な自分や周りを憎んで苦しんでいるだけじゃ、なんにも変われなかった。あなたたちが、私が変わるきっかけを与えてくれたの。ここで出会えた皆がいて、役に立ちたいと思えたからこそ……あの力が目覚めてくれたんだと思う」
私は握りしめられたルシドの両手を解き、自分の手を重ねる。
「辛いことに立ち向かおうとする気持ちは必要。でもそれだけじゃ未来はきっと見えてこない。だから……ルシド、大切な人との関わりを捨てないで。ひとりで強くなろうとせず、これまであなたを支えてくれた人たちのことを忘れずに、そこから生まれた希望を保ち続けて。大変なことだけど、諦めないで何度でも立ち上がって進めば、いつか届く。あなたになら、それができると思うの」
「シルウィー様……」
無責任な押し付けだとは、自分でも思う。でも……どうしても彼には後ろ向きな理由でこの先の人生を戦ってほしくなかった。ルシドが、これまでに得てきたり、誰かから受け取ってきたたくさんの大事なものを重荷ではなく力に変えて、胸に描いた望みを目指し進んで行って欲しい。