魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
昨日夜遅く……俺はこの部屋でルシドの治療を終えたテレサから直接、魔石店についての経営状態や将来性に関する報告を受けていた。
『お姉様が聖女であると噂されていることも相まって、シルウィー魔石店の顧客は少しずつ領内に増え始めています。元々魔石は帝国内でも限られた地域でしか取れませんし、入手には魔物から襲われる危険を伴いますからね。それが手間もなく安定的に供給できるとなると、各地にある魔道具工房や研究機関から注目を浴びる日も遠くはないでしょう。ネプティル商会も彼女に積極的な支援を表明していますし……聞いてます?』
『結構なことじゃねえか。俺が心配してやる要素はなにもねえ』
『……ですけど!』
そっけない返事を返した俺に、テレサは大きく詰め寄った。
『どうしてお兄様は、無理にシルウィーお姉様を突き離そうとなさるんです!? 一緒にいてなにか問題が起こるなら、お兄様があの方を守って差し上げればいいだけじゃありませんか! お姉様のことが大事じゃありませんの?』
その剣幕に俺は舌打ちした後、暗に退出を促すため、執務を再開する。
『お姉様が聖女であると噂されていることも相まって、シルウィー魔石店の顧客は少しずつ領内に増え始めています。元々魔石は帝国内でも限られた地域でしか取れませんし、入手には魔物から襲われる危険を伴いますからね。それが手間もなく安定的に供給できるとなると、各地にある魔道具工房や研究機関から注目を浴びる日も遠くはないでしょう。ネプティル商会も彼女に積極的な支援を表明していますし……聞いてます?』
『結構なことじゃねえか。俺が心配してやる要素はなにもねえ』
『……ですけど!』
そっけない返事を返した俺に、テレサは大きく詰め寄った。
『どうしてお兄様は、無理にシルウィーお姉様を突き離そうとなさるんです!? 一緒にいてなにか問題が起こるなら、お兄様があの方を守って差し上げればいいだけじゃありませんか! お姉様のことが大事じゃありませんの?』
その剣幕に俺は舌打ちした後、暗に退出を促すため、執務を再開する。