魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『ほら見たこと、やっぱり嫌なんじゃありませんの。言っておきますけれど、私はシルウィーお姉様以外が私の義姉になることをぜぇ~ったいに認めませんから! 目の前にいるあんなに素敵な人を無視して、他所の令嬢に手を出すなんて、宝石と馬糞を間違えて掴むようなもの。ただのバカで、今のお兄様はその上、最低の臆病者です!』
『っお前、いい加減にしろよ! 兄妹だからってなにを言っても許されるわけじゃねぇぞ!』
『いいえ、何度でも言ってさしあげます! お兄様のバカバカバーカっ! 会った時はべたべた自分から迫ったくせに、いざとなったら本当のことを言う勇気もない、腑抜けの大意気地なしっ!』
『こいつっ……!』
まるで子供時代に戻ったかのように、品の無い罵倒を繰り返す妹を、俺もさすがにそのままにはしておけず、羽交い絞めにして部屋の外に放り出した。
それからも……しばらくどんどん扉を叩く音と喚き声が続き、俺は頭を抱えてしまう。まさかいつもは公爵令嬢としての節度を忘れず、他所の令嬢の憧れの的でもある妹が、ここまでするとは――。
今では……俺の精神状態は、身体の不調が消えるのと相反してどんどん悪化している始末。気もそぞろで、執務への影響も無視できない。そしてテレサに言われたことも、あながち的外れではないのが困ったものだ。こうなったのも、すべて俺自身が弱いせいだから。
『っお前、いい加減にしろよ! 兄妹だからってなにを言っても許されるわけじゃねぇぞ!』
『いいえ、何度でも言ってさしあげます! お兄様のバカバカバーカっ! 会った時はべたべた自分から迫ったくせに、いざとなったら本当のことを言う勇気もない、腑抜けの大意気地なしっ!』
『こいつっ……!』
まるで子供時代に戻ったかのように、品の無い罵倒を繰り返す妹を、俺もさすがにそのままにはしておけず、羽交い絞めにして部屋の外に放り出した。
それからも……しばらくどんどん扉を叩く音と喚き声が続き、俺は頭を抱えてしまう。まさかいつもは公爵令嬢としての節度を忘れず、他所の令嬢の憧れの的でもある妹が、ここまでするとは――。
今では……俺の精神状態は、身体の不調が消えるのと相反してどんどん悪化している始末。気もそぞろで、執務への影響も無視できない。そしてテレサに言われたことも、あながち的外れではないのが困ったものだ。こうなったのも、すべて俺自身が弱いせいだから。