魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
(やっぱり、テレサにも私のことで心配をかけちゃってるのかしら)

 先日すでに、スレイバート様とは私との結婚を取り止めにした方がよいのではないかという相談をしている。しかしそれについて猛反対したのが配下のクラウスさんだ。

 彼曰く、この婚約の解消にはどういう経緯であったかがひどく問題視されるのだとか。

 よくよく考えてみれば、すでに私の父は、婚約時にボースウィン家から送られた支度金を王家への賠償に当ててしまっている。その上で私から婚約の解消を申し出るのは、どう考えても筋が通らない。実家にさらに賠償金が発生しかねない状況だ。

 かといって、スレイバート様からの要望で婚約を解消したとしよう。それは彼がなんらかの問題を起こしたのか、と余計な勘ぐりをされかねない。よって公家の家名を傷付けないためには、双方納得済みで円満に解消されたと周知する段取りや時間が必要になるのだとか。

 だからクラウスさんも、『婚約解消が内定した後も最低後半年間は現状を保ち、その間自由恋愛は極力控えるようにしていただきたい。その間に然るべき手続きを終わらせますので』と、難しい顔でおっしゃっていた。
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