魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
彼はそう言うと素直に頷き「似合わん趣味だろうが」、とガハハと笑う。
聞くところによれば、彼は騎士として国境線で敵国からの侵攻を防ぐ傍ら、合間合間にこの土地で出会った人々の姿を書き留めてきたのだという。
「で、どうじゃった? わしの絵は」
「とても素敵な絵だと思いました。描かれている方々に対しての親しみが伝わってくるようで……」
私がそんな感想を告げると、得意満面の笑みでクリム様は笑いながら、スレイバート様の方を指差す。
「じゃろ? お前さんはこっちの坊主よりよっぽど見る目があるわい。あれは大切な我が友たちが、ずっとこの地を見守り続けてくれるようにと願って描いた作品じゃというのに……。聞いておくれ、スレイバートと言ったら、昔夜中にあれらを見てちびりそうになりおってなぁ……」
「……てめっジジイ、ふざけたことぬかすと領地から叩き出すぞ! 今は俺の時代なんだからな」
「ひゃっひゃっ、偉そうに。図体がでかくなっただけで中身は大して変わっておらんくせにな」
きわどいやり取りに揃って周りは耳を塞いで聞こえなかったことにし、本人たちはわいわいと騒ぎ合う。まるで本当の祖父と孫のような関係に、私はついほっこりしてしまった。
聞くところによれば、彼は騎士として国境線で敵国からの侵攻を防ぐ傍ら、合間合間にこの土地で出会った人々の姿を書き留めてきたのだという。
「で、どうじゃった? わしの絵は」
「とても素敵な絵だと思いました。描かれている方々に対しての親しみが伝わってくるようで……」
私がそんな感想を告げると、得意満面の笑みでクリム様は笑いながら、スレイバート様の方を指差す。
「じゃろ? お前さんはこっちの坊主よりよっぽど見る目があるわい。あれは大切な我が友たちが、ずっとこの地を見守り続けてくれるようにと願って描いた作品じゃというのに……。聞いておくれ、スレイバートと言ったら、昔夜中にあれらを見てちびりそうになりおってなぁ……」
「……てめっジジイ、ふざけたことぬかすと領地から叩き出すぞ! 今は俺の時代なんだからな」
「ひゃっひゃっ、偉そうに。図体がでかくなっただけで中身は大して変わっておらんくせにな」
きわどいやり取りに揃って周りは耳を塞いで聞こえなかったことにし、本人たちはわいわいと騒ぎ合う。まるで本当の祖父と孫のような関係に、私はついほっこりしてしまった。