魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
でも、クリム様は私を責めないでいてくれた。
「いいのじゃ。あの絵がお主に母の面影を少しでも教えることができたならば、役目をまっとうしたと言えるじゃろう。まことに描いたかいがあった。わしも、お主の成長を見届けられたこと、嬉しく思うぞ」
「ありがとうございます……!」
「ちぇっ。ジジイの道楽に感謝してやる必要なんかねーって。好きでやってんだからさ」
「お前に言われるとむかっ腹が立つが、まあその通りじゃな。本日は祝いの宴、そう畏まらずにもてなしを楽しんでいってくれい」
深く感謝する私をにこやかに歓迎してくれた後、クリム様はちょっとつまらなそうにぼやいていたスレイバート様になにやら耳打ちをした。
「……じゃが、その前にスレイバートよ、例の客と話してやってくれ」
「……へえ。もう来てるのか?」
「うむ、あそこじゃ」
彼が指差す方向に佇んでいたのは……ひとりの美しい女性。
優美なグレーヘアを結い上げ、深緑の瞳を物憂げに俯けた、たおやかな雰囲気の方だ。彼女がこちらに気付き、微笑んでお辞儀したのに私が返すと、スレイバート様が小声で言った。
「いいのじゃ。あの絵がお主に母の面影を少しでも教えることができたならば、役目をまっとうしたと言えるじゃろう。まことに描いたかいがあった。わしも、お主の成長を見届けられたこと、嬉しく思うぞ」
「ありがとうございます……!」
「ちぇっ。ジジイの道楽に感謝してやる必要なんかねーって。好きでやってんだからさ」
「お前に言われるとむかっ腹が立つが、まあその通りじゃな。本日は祝いの宴、そう畏まらずにもてなしを楽しんでいってくれい」
深く感謝する私をにこやかに歓迎してくれた後、クリム様はちょっとつまらなそうにぼやいていたスレイバート様になにやら耳打ちをした。
「……じゃが、その前にスレイバートよ、例の客と話してやってくれ」
「……へえ。もう来てるのか?」
「うむ、あそこじゃ」
彼が指差す方向に佇んでいたのは……ひとりの美しい女性。
優美なグレーヘアを結い上げ、深緑の瞳を物憂げに俯けた、たおやかな雰囲気の方だ。彼女がこちらに気付き、微笑んでお辞儀したのに私が返すと、スレイバート様が小声で言った。